込型(こめがた)法は、石膏などの原型から写し取った外型と、原型が鋳物になった時の金属の厚み分(3〜5mm)小さな中型(中子)からなる鋳型を作ります。
外型と中型に数ミリの隙間ができ、そこに溶けた金属を流しこむ方法です。外型は原型の形状より、上下2分割から寄せを取った複数分割になることもあります。

p3ではレリーフの鋳型、p4では中子を用いた立体物


込型法に使う鋳型土は粒度を細かいものから荒いものまでの「紙土」「玉土」「粗土」の三種類、中型用の中子砂を用意します。
また、粘土を水で溶いた「埴汁(はじる)」を土と土の接着や鋳型土作りに使います。

紙土は和紙の繊維を練りこんだ土で、粒子の細かい真土・珪砂と粘土を使って作ります。
玉土は型の見切り面や紙土と粗土の間に使います。
粗土は藁を短く切ったものを一緒にまぜた土で、粒度は粗く、鋳型の一番外側に使います。

1・石膏原型に水をすわせた後、土間砂をふるいでふるった土で鋳型の押台(見切り面)をつくる。原型にはうすめたカリ石鹸を塗る。

2・原型に紙土を貼り付ける。このとき離型材として油を紙土の原型につける面に塗る。型抜けできそうにないところは小寄せを作る。

3・紙土を付けた後は、埴汁を紙土部分に塗り、玉土を付ける。しかし、小寄せ部分、押代部分には埴汁をつけないように気をつける。

4・玉土をつけた後は素灰で乾燥を促し、筋金で型を補強する。筋金は押台の外に出るぐらい長めにする。

5・玉土の上に埴汁を塗り、粗土を付けていく。このとき筋金も埋めるが、筋金の端を型から少し出しておく。

6・素灰で乾燥を促し、型が乾燥したらもう半面の鋳型作り。

7・型をひっくり返し、慎重に原型を取り外す。 8・原型を取り外したところ。小寄せを元のところに取り付け、壊れたところがあれば補修する。

9・ハマリを作る。ハマリは凸凹状の物で、これで上下型同士を噛み合わせる。

10・裏土を張る。裏土の厚みが金属の厚みに相当する。


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