○鋳金作品の仕上げの手順を簡単に説明します。

1−1
注湯後、冷えて固まった金属を鋳型から取り出します。
たいていは鋳型を破壊して取り出します。破壊した鋳型は、真土型も石膏鋳型も再び砕いて再び鋳型材として使用します。
取り出した鋳物に残っている砂・中子等を落とします。

1−2
湯道・堰を切断し、笄(こうがい)・型持ちを取り去ります。
バリなどをはつり落とし、笄・型持ちの穴を同種金属で埋めます。

1−3
鋳肌表面をヤスリなどで削って金属地をだす仕上げを剥(む)き仕上げ、鋳造したままの鋳肌で仕上るのを叩(たた)き仕上げといいます。

剥き仕上げは、ヤスリ等で鋳肌表面を削り、形をだし、鋳巣や穴などがあれば嵌金(はめがね)をします。ヤスリ等での削りの後、キサゲという道具で表面をさらに削り、さらに耐水ペーパーという紙やすりで水研ぎし、美しい金属光沢し仕上ます。

叩き仕上げは、鋳出した肌をそのまま、あるいは鏨(たがね)という道具で叩いたりヤスリ等で形を整えて、原型のテクスチャーを金属に置き換える仕上げです。

1−4
さらに糠焼き(みそやき)や素焼(すやき)といった金属表面に強制的にテクスチャーを付ける技法もあります。

1−5
仕上げが済んだら着色です。着色といっても美術工芸では塗料による塗装をするのではなく薬品等を使って金属が持っている色を引き出すのです。
銅合金では、緑青、オハグロ、煤いぶし、硫化いぶし、煮上げなどあります。



2−1○実例
・みそ焼き〜緑青仕上げ


以後、
続く・・・。