技法研究

ピューターによる鋳造
〜石膏板を使って〜
(2)


続き


トタン板を丸めて鋳型に被せるようにし、煙突とする。
1時間から1時間半焼成する。

表面の墨汁の黒色が消えたら焼けた証拠。


左のような器具を作る。
○材料
板2枚、ボルトとナット4組、蝶ネジ4つ、ワッシャー12枚
○作り方
板を2枚あわせ四隅に穴をあける。
1枚目の板にボルトを通してナットで締め、2枚目の板を蝶ネジで挟む。

作った器具にアルミ板を入れて焼いた鋳型とタイルを挟む。
写真ではタイルを鋳型の上に挟んで被せ型としたが、下から、アルミ板・鋳型・アルミ板・タイルと挟んでもよい。
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左写真のように斜めに角度をつけて固定し、溶けた金属(ピューター)を流す。
ピューターは溶けると表面に酸化膜などのゴミが浮くので、鋳型に流す前に乾燥した割り箸などで浮いたゴミを取り除いておく。
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鋳型を挟む器具から取り外す。
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鋳型から固まった金属を取り外し、湯口やバリをカットして完成。

注意することは、版画と同じで、できた鋳物は下書きで書いた絵とは反転する。文字を刻むときなどは注意が必要である。
使った材料・道具など
地金(ピューター)、耐火石膏、木炭、七輪、網、トタン板(煙突用)、地金溶解用坩堝、割り箸、アルミ板、木板、ボルト、ナット、蝶ネジ、ワッシャー、タイル、彫刻刀、墨汁、アルコール

 鋳型が壊れなければ複数の鋳物が作れるが、作れば作るほど鋳型が劣化消耗します。それでも10〜15個はできるでしょう。後日、また流し込むときは再び鋳型を焼いて水分を飛ばす必要があります。

 溶けた金属を鋳型に流し込んだときに泡がボコボコふいたらそれはまだ鋳型内に水分が残っている証拠です。もう一度鋳型を焼いて鋳込みましょう。
 また、流し込むときに溶けた金属をこぼしてしまうでしょうから、燃えないものの上に鋳型を固定し、こぼれた金属は冷えて固まってから回収します。溶けた金属に水分は厳禁です。

(協力・宮崎大学教育文化学部美術科工芸研究室)


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