技法研究 その2

甲佐町でおこなったワークショップの技法
(1)
熊本県甲佐町でおこなったワークショップで配ったプリントの内容です。


〜このときの様子をまとめたレポートを参考資料として最低限経費のみで配付してます。興味のある方は問い合わせ下さい。
 2004年5月2日、5日に熊本県甲佐町(図1)の井戸江峡キャンプ場において鋳物作りワークショップを同級の中村宇之君と共に開催した。1日目の5月2日は原型、鋳型作り。2日目の5月3日は鋳型乾燥日(参加者は休み)。3日目の5月4日(当日は雨天のため5日に延期)は吹き、仕上げという3日間の日程を予定し、参加者には1日目と3日目にキャンプ場に来てもらい制作してもらった。原型作りから吹き、仕上げまでの全工程の参加者は高校生1名、大学生4名の5名。1日目の参加者を含めると8名であった。
 手のひらに乗るサイズの原型を蝋(ワックス)で作り、これを地元(甲佐町内)で採った川砂、山砂で作った鋳物土で包んで鋳型とし、1日鋳型を乾燥させ、脱蝋・焼成後、金属を溶解し鋳込み、鋳型を壊して仕上げまでの蝋型鋳造の工程を体験してもらうようなものだ。山中のキャンプ場で鋳造設備、電気などない場所での開催であり、そのための準備、実験、使用した道具類など今回のワークショップとあわせてその報告をする。(レポートより抜粋)




鋳物作りワークショップin甲佐

 甲佐町で取ってきた山砂、川砂を使って鋳型を作り、鋳物を作ってみましょう。
 蝋(ロウ)で原型を作り、土で包んで鋳型にし、その鋳型を焼きます。すると、蝋原型は溶けてなくなり、そこに空洞ができます。その空洞に溶けた金属を流し込むと蝋原型と同じ形の金属の塊「鋳物(いもの)」ができるのです。




〜材料〜
地金(銅・錫・亜鉛・鉛の合金)
原型の材料・・蝋(パラフィン・マイクロワックス)
鋳型の材料・・山砂、川砂、砥の粉、炭粉、針金、水

〜作り方〜
1 原型作り
1-1
蝋をつかって原型を作ります。温めるとやわらかくなる蝋で自由に形を作ってください。


1-2 
蝋の原型が出来上がったら、溶けた金属が流れるところ「湯道」を蝋で作り原型にくっつけます。
2 鋳型用の土作り
2-1
川砂と山砂を篩(ふるい)でふるって粒子をそろえます。

2-2
ふるった砂を1対1で混合し、炭粉と砥の粉を少量混ぜ、水でこねます。


左図→は、今回作る鋳型の断面図です。蝋原型の周りを一層、二層の土で包み、湯道の先には湯口という溶けた金属を流し込む口を作ります。
この鋳型を焼いて蝋を溶かし出し、そこにできた空洞に溶けた金属を流し込むのです。


2-3
ここでは土を2種類用意します。
一層目(蝋原型の肌につける土)は細かい粒子の土、二層目は一層目より少し粗い粒子の土を使います。
3 鋳型作り
3-1
湯道をつけた蝋原型の表面をアルコールで脱脂します。蝋原型表面の油分が取れ、土が付きやすくなります。

3-2
まず、蝋原型の表面に一層目の細かい粒子の土をつけていきます。

3-3
一層目の土をつけたら表面が少し固くなるまで乾燥させます。
そのあと、鋳型の補強に細い針金をぐるぐると巻きます。
3-4
針金を巻いたら、細かくふるった山砂を水でどろどろに溶いたものを一層目の土の上に塗ります。そして、その上に二層目の土をつけていきます。
3-5
湯道の先端部分は土で丸くくぼみを作って湯口とします。
土が乾燥し、ひび割れなどを修正すれば鋳型の完成です。


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